月経前症候群（PMS）は、排卵後～月経が始まる直前までの3日～10日間程度の間に不快な症状が表れ、多くの場合は月経が始まると治まるのが特徴です。20代～40代の方に多くみられ、ある調査結果では、実に女性の9割近くが月経前に何らかの体や心の不調、異変を経験したことがあると言われています。

症状は、腹痛、腰痛、胸の張り、頭痛などの身体症状や、イライラ、眠気、だるさ、集中力の低下などの精神症状が主に現れますが、人によって自覚する症状には違いがあります。

女性は10代で初潮を迎えてから50歳前後で閉経するまで、毎月一定の周期で変動する女性ホルモンの影響を受けながら過ごします。

症状やその強さは、人によってまたはその時によって違いがあるものの、時には仕事や育児など日常生活に支障をきたすほど強い痛みや気持ちの変化が起こる場合もあります。
しかし、周囲からはそのつらさがわかってもらえず、つらい日々を過ごさなければならないという方も多いようです。
実際、当院に来院された方にお話しをうかがうと、実は月経前の不調で困っているという方が多くいらっしゃいます。

PMSの時期はちょうど排卵後の黄体ホルモン（プロゲステロン）が多く分泌される時期に重なり、その影響で上記のような症状がでると考えられています。
ですが、同じ女性でも症状がある人とない人がいたり、同じ人でも症状が軽い時期と重い時期があるので、黄体ホルモンだけがその原因ではなさそうです。

では一体、症状の違いには黄体ホルモンの他に何が関係しているのでしょうか？

実は医学的にははっきりした原因がわかっていないというのが事実です。
ただ、過剰なストレスや性格の特徴、食事や睡眠、運動などの生活習慣が関係しているようだということがわかってきています。

ストレスは決して思い込みや気のせいではなく、実際にストレスによって脳や副腎などの内臓からストレスに対抗するホルモンが作られ、肉体的な症状に繋がることがわかっています。
また、血糖値の上昇がPMSの症状を悪化させやすいと考えられているため、食事などの生活習慣もとても重要です。

日頃からできる対策としては、まず自分の症状のパターンを知っておくということが大切です。
PMSがそろそろ来る時期だなとわかってくると、意識的に休息をとったり、無理をしないようにする心がけができるようになります。
また、日頃から甘いものを控えたり、魚や大豆などを積極的にとるなどの食生活の改善も有効と考えられています。

医学的にははっきりとした原因がわかっていないため、病院の治療は様子を見るように言われたり、痛み止めやホルモン剤などの対症療法にとどまらざるを得ません。

そのため、ストレスのコントロールや食事や睡眠、運動などの生活習慣などの原因へのアプローチが重要になってきます。

当院では鍼（はり）やお灸を使った治療に加え、生活習慣のアドバイスを行うことで症状やその原因にアプローチをしていきます。
鍼灸や整体などの代替療法は、ストレスケアや生活習慣の改善アプローチを得意としており、副作用もほとんどないことから有効な手段の一つと考えられています。最近ではテレビなどでも特集されていることがあるので、そこで知っていただいたり、興味を持っていただいた方もいらっしゃるのではないでしょうか？

施術はツボや筋肉、神経などに対して髪の毛ほどの太さの鍼、温かいお灸を使い治療していきます。来院された方の半分以上は今まで鍼灸治療を受けたことがなく初めてですが、ほとんどの方から「痛くない」「心地よかった」とのお声をいただいております。

また、当院では検査の結果をもとに生活習慣の改善ポイントのアドバイスも行っています。
自分の生活習慣が良くなさそうということはわかっていても、実際何をどう変えればいいかわからないという声をいただくことがありますが、ご自分で改善できるポイントを知っていただき、実践できるようサポートします。